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今日はマソー・ヰボンス力ヤのレスラー引退を掛けたタイトル防衛戦だ、
彼女たっての希望で臨月を待って行われたスーパープロレスのメインイベント
いつもは腹が膨れてくればそこそこの日数でも年何回かのペースで流産マッチは行われてきた、
それも今や飽きられ始め反応もいまひとつ、近頃は体型の衰えも著しく精細を欠く試合ばかり、
そこで最後に企画されたのは話題性を重視したレフェリー時間制限無しの予定日を翌週に控えた臨月金網デスマッチだった
ただでさえ大きく見栄えの良い身体は更に大きく腫れ上がった腹のせいで動きが鈍り只の的となっていた
試合中何度も蹴りやプレスを食らい腹のクッションも早々にあえなく破水、股間からは丸い物がはみ出している
孕んでダルダルになった腹筋を始め妊娠による女性ホルモンの分泌に自慢の鋼の体は重いだけの柔らかな脂と肉になっていた
起死回生に息みヒリ出した中身をぶん投げた凶器攻撃、得意の奥義だった
しかしまだ胎盤は繋がってるのに加えマットが羊水で水溜まりのようになっていた
自分の投げた勢いに引っ張られてずっこけるマソー
相手の技を受けるのがプロレス、後頭部を強かに打ち付けミスを自ら演出するのも仕事だ
リングから引くとなれば最後は盛大に散らねばと大の字に倒れる
ブカブカになった腹に蹴りを落とされ引き上げられる、対戦相手に自らのヘソの緒で首を絞められ泡を吹き潮も吹く
ゴングが鳴ることもなくただ歓声と痙攣するマソーの靴の音だけが響く
そこにあったのはリング中央で顔を青くしながら白眼を剥き巨体を投げ出した三十路を過ぎた子持ち主婦のみっともない痴態だけ
引き抜かれた胎盤を顔に叩きつけられても時折痙攣しながら尿と母乳を吹き出すのみ
そしてとうに決着のついたリングでは屈強な異星人レスラーや観客達による輪姦ショーが始まろうとしていた